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あれはどこの町だったろうか。ヨーロッパのどこかの街角。若い女性がギター 一つで、声を限りに歌っている。その歌詞は、どこの国の言葉か分からない。 何か怒りに満ちた歌声。でも美しかった。全身からエネルギーが出ていて、私 はしばらく立ち止まってその歌を聴いた。と言うより、そのエネルギーを受け 止めていた。
その町がどこだったのか。80年代に行っていた西ヨーロッパのどこかの町か。 それとも90年代に良く行くようになった中欧の町か。いろいろな手がかりを基 に推測するのだが、どうしても正確には思い当たらない。
インドバングラのツアーの前に長野の雪道で自転車で転倒した右肩や右肘や右 ヒザの痛みが、寒い長野市でまたぶり返して、右の胸に珍しくできていた吹き 出物がインドバングラで何かの細菌が付いたのか化膿し始めて、どうやっても 治らない。そのうち微熱と寝汗が出て、のどのリンパも腫れてきて、耐えきれ ずに医者嫌いの私が近くの町医者に行って、抗生物質をもらいなんとか立ち直 って来た。 それがこの一週間の私だった。ちょうど一週間前に「ニパフまでのニパフ」と 言うメールを出そうと準備して最後の校正をしている時に長野でも大きな揺れ があり、夜中にも長野県北部で大きな揺れが来た。東北の惨状は、この世のも のとも思えない程だ。 それから次々と世界各地からお見舞いのメールが届いて、それは今でも続いて いる。中には10年以上も連絡のなかったアーティストもいる。これまでニパフ で招待した海外のアーティスト達が、現地のマスコミの報道で流れる地震とツ ナミそして絶望的な原発事故の映像に心を痛めている。彼等達の唯一の日本体 験がニパフでの来日なのだから、私に連絡するのは無理はない事かもしれな い。 ニパフは今まで東北での開催はなかったけれど、私は個人的には随分世話にな った。77年から一人で国内のどさ回りをしていた時に、比較的気軽に表現の機 会を得られたのは今回の被災地のライブハウスやジャズ喫茶や小さな画廊だっ た。終わってからの打ち上げは、いつも楽しいものだった。うまい酒と魚と、 そしてたまには温泉にも行った。80年代後半からは国外のどさ回りで忙しくな り、足が遠のいた。そんな話しを最近のニパフの若者に話して、今度はアジア や海外ばかりでなく国内、特に東北へのツアーも考えようかと話していたばか りだ。
先月末の大阪のワークショップの最後に、受講生達にニュージーランドの地震 での犠牲者達の慰霊のためのパフォーマンスをして下さいと頼んだ。場所は住 吉大社。人に悟られないように、と言うルールで一人一人が数分のパフォーマ ンスをした。一人一人が想いを込めた数分の行為をした。みな哀しそうな表情 だったが、何かと繋がれたようで終了後はみな満足感に満ちていた。
私は普段はそんな指示を出さないのだが、映画「ヒアー・アフター」を見て感 じた事とビルにつぶされた多くの発見されない死者の事が気になって仕方なか った。中東や北アフリカの革命の波の事も意識した。
一週間遅れてしまったが、この「ニパフまでのニパフ」と言うメールを出しま す。説明すると、今年の5月23日から開催する「第18回日本国際パフォーマン ス・アート・フェスティバル(ニパフ11)」までに行なうニパフの活動と言う 意味です。今度のニパフに公的な助成が付くのかどうかわからない今から準備 をしないと間に合わない。助成に関しては、勿論悲観的だけれど。何がこの時 代にできるのか。どのようにする事が良いのだろうか。それを考えながらこれ らのイベントを行なっていこうと思います。
ニパフの活動は、いつも10数人で行う小さな活動です。でも1人ではできな い。また変更もあるかもしれないけれど、その時には早めに知らせます。
90年代初めからの「パフォーマンス・アートのフェスティバルの時代」。いつ もそこで話題になっていたのは「アーティストの自立と連帯」。自分たちが企 画しなければ誰も企画しない。自分たちが実現しなければ何も実現しない。
ニパフは、いつも皆さんのご来場とご参加をお待ちしています。
ニパフ霜田誠二
ーーーー (1)北澤一伯×丸田恭子×霜田誠二公開鼎談イン長野「来るべき三人展に向けて」
日時:3月26日(土)午前11時半集合、昼食後午後1時半から午後4時半ごろまで。
会場:ニパフ・ハウス(長野市中御所2-8-14、JR長野駅徒歩3分)
料金:自家製マクロビ風昼食+お茶付き 大人1,500円、学生1,200円
内容;
 長野県に住んでいる現代美術家で、私が最も敬愛する美術家の北澤一伯氏と 画家の丸田恭子さん。お二人に「そろそろ三人展でもやりましょうか」と誘っ たのは昨年末のこと。
 お二人と交友を持ってから、そろそろ二十年程になる。その間一緒に東欧 (スロバキア、ハンガリー、ポーランド等)に行ったり、北澤さんにはニパフ にたびたび出演してもらったり、丸田さんとは一緒に北京にも行った。何より 中御所にある私の自宅裏のニパフ・ハウスで、勝手に不定期に開いている宴会 には良く来ていただいている。
 お二人は積極的に展覧会やグループ展に参加されていて、それも国内に限ら ず、私も私の方で相変わらず世界を飛び回っている。だが、三人展という形で やった事はない。  どういう展覧会が良いのだろうかという目論見もなく誘ったのだが、1月に まず三郷村の北澤さんの住居兼スタジオで三人が集まった。2月は川中島にあ る丸田さんのスタジオに集まった。いつも昼前に集まって私が簡単なランチを 作った。北澤さんのところではパスタ。丸田さんのところでは味噌煮込みうど ん。ランチを食べてから付近も散策しながら、アートの話、三人展の話等をし た。スリリングなアートのひとときだった。  いよいよ次回は、公開で行ないます。また私の手作りランチ(今回は実験自 家製マクロビ風ランチです)を食べてから、三人それぞれが考えているアート の話、来るべき未来の三人展の鼎談等々をします。是非おいで下さい。
予約・問合せ:090-1652-9127(霜田)またはE-mail: nipaf@avis.ne.jp

(2)第6回霜田誠二パフォーマンス・アート・ワークショップ・イン東京
日時:4月1日(金)午後7時-午後9時。4月2日(土)午前10時半-午後 12時半、午後2時-4時、午後6時半-9時半(公開パフォーマンス)。3日 (日)午前11時-午後1時、午後2時-4時
会場:3331アーツ千代田(銀座線末広町駅4番出口、千代田区外神田6丁目 11-14。但し、1日と2日の午後1時まで。以降は街頭。3日は街頭のみです。 街頭での合流希望者は事前に電話下さい。)4/2公開パフォーマンス会場: 喫茶「ルノアール」新宿区役所横店2階マイスペース3号室
受講料金:1講座2時間で2,000円(学生1,800円)、全5講座割引9,000円 (学生8,000円)。公開パフォーマンス出演費2,000円(学生1,500円)+ドリ ンク代。公開パフォーマンス観客料金一般1,500円、学生1,200円 +ドリンク 代
内容;
 現在パフォーマンス・アートという分野は、現代アートの中で最も活発で最 も可能性のある分野かもしれません。美大を卒業した人々があるいは学んでい る学生が、全く美術の事等を知らない人々と共に、この分野のフェスティバル に参加している姿も世界のあちこちで見られます。この分野の歴史も考え方も 知らない若者達が、国際的に活躍している例も多いです。
 でもその事は悪い事ではありません。実践を通じて、世界を知り様々な人や 生活を知ってアートを知っていく。昨年から始めたこの三日間のワークショッ プでは経験豊かな講師が、受講生に次々と難題を投げかけ無茶な要求等もしま す。でもそれらの実践を通じて、受講生は目からウロコが落ちるような経験を していきます。今までの世界観が如何に固定的なものであったか。いかに世界 は自由に満ちているか。
 短い期間ですが、様々な映像資料を見たり、いろいろな演習をしたりして他 の受講生と共に過ごす時間は、大変貴重な体験となると思います。あなたも是 非参加して、このアートを体験してみて下さい。
 なおオプションとして、3日(日)午後5時からは新宿末広亭で寄席見学を 行ないます。実費2,700円。
予約・問合せ:090-1652-9127(霜田)またはE-mail: nipaf@avis.ne.jp (3)快療法初級講座長野ー瓜生良介さんをお招きして。 日時:4月10日(日)午前10時半-午後3時半 会場:やま茶屋(長野市中央道セントラルスクエア北隣、長野市問御所1315 料金(やま茶屋特製マクロビ風昼食付き):一般3,500円、65歳以上及び学生 3,000円、高校生以下2,000円 内容;  新宿区地下鉄「神楽坂」駅近くで長年「ウリウ治療院」という自然療法を基 本に様々な難病患者を診ている瓜生良介(うりゅう・りょうすけ)さんを長野 に招いて、瓜生さんの提唱する「快療法」の初級講座を開きます。  ガン患者数300万人、ガンによる死者年間30万人と言われている現代日本。 他にも様々な免疫不全や精神的な病気、そして新型ウィルスによる新しい病気 に満ちている今の社会で、どのように生きるべきか。  今年76歳になられる瓜生さんの自由闊達で豊かな経験に裏打ちされたお話 は、多くの方の今後の生きる指針となるものだと思います。やま茶屋さんにお 願いするマクロビ風の昼食を挟んで、自分の生命と触れ合うひとときをご一緒 にいかがですか?昼食の関係で、できるだけ前日までにご予約下さい。 予約・問合せ:090-1652-9127(霜田)またはE-mail: nipaf@avis.ne.jp -- Seiji Shimoda/Nippon International Performance Art Festival (NIPAF) Executive Committee
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流浪のパフォーマー霜田氏よりメールが届いたので、告知紹介します。
ムサ美のクリストフ・シャルル氏が招聘し、非常勤でパフォーマンスを教えていますが、この国では唯一のパフォーマンス講義です。 / マチダ


ー以下メール内容転載

2年半前に「ニパフ・メディア・アート研究会(通称メディ研!)」を4回連 続開講して、一部には大好評でしたが、満を持して「ニパフ・パフォーマンス ・アート研究会(通称パフォ研!)」を開講します。
メディ研!の時も独断的・縦断的な講義でしたが、パフォ研!になると更にど こがパフォ研かと言われそうな内容になるかもしれませんが、そこはそれ、ど こかで繋がるもんです。
3週間近くのフランス・スペインの旅の前に自宅でした事は、味噌を仕込んだ 事と沢庵を漬けて行った事です。
味噌は今年の5月に人生で初めて作ったけど、その第2弾。5月の物は9月頃 から食べてます。うまいのよ。夏越えの味噌。2キロの乾燥大豆で、7キロく らいの味噌ができる。今度は冬越えの味噌です。沢庵作りは今回がほぼ初め て。普通の大根四つ切りにして、ちょっと陽に当ててヌカと塩と重しだけ。帰 国すると、もう美味い。ヌカ漬けはかき混ぜる必要あるのに、なんで沢庵は酸 素がいらないのか。酸味も効いて、怪しいスーパー物とは大違いのうまさ。

時間が作る物は、大抵うまくいくなあ、というのが感想。
まあこの「パフォ研!」もいつか時間がたつと役に立つかもしれない。と、ニ パフのディレクターは思うのだった。
と言う事で以下の要項で開講しますので、興味のある人はご参加下さい。

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◆「ニパフ・パフォーマンス・アート研究会(通称パフォ研!)」

日時:11月16日(月),24日(火),30日(月),12月15日(火) / 午後7時〜午後10時
会場:喫茶「ルノアール」新宿区役所横店2階「マイ・スペース」1号室(新宿駅東口徒歩3分東通り奥、新宿区歌舞伎町1-3-5、03-3209-6175)
講師:霜田誠二(ニパフ代表、武蔵野美術大学非常勤講師、香港アジア・アート・アーカイブ AAA:国際アドバイサー)
問合せ:090-1652-9127, nipaf@avis.ne.jp
受講料(会場費含む):一般一回 1,500円、学生一回 1,200円、+ドリンク代実費 / 四回通し一般 5,000円、学生 4,000円、+ドリンク代実費

◆「ムサビ勝手に公開授業」

日程:11/9(月),10(火), 16(月),17(火),24(火),30(月) ,12/1(火) ,15(火),16(水)
会場:武蔵野美術大学12号館4階404号室
時間:午前9時半頃から昼12時10分頃まで
問合せ:090-1652-9127(霜田)E-mail: nipaf@avis.ne.jp

両方ともいろんな人が来そうで、楽しみにしています。両方とも事前に連絡欲 しいですが、なくても直接来てくれて良いです。ムサビは平日の午前中なの で、夜の方が良い人はパフォ研の方へ。やる事は違うので、両方への参加は、 大歓迎です。とにかく人が集まって、わいわいするのは大事です。

ちなみに次の私の家庭プロジェクトは、「柿の酢プロジェクト」。柿の木プロ ジェクトではないです。2年かかるらしい。柿酢。カシスではない。
ニパフ霜田誠二 / Seiji Shimoda/Nippon International Performance Art Festival (NIPAF) Executive Committee
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