久しぶりに会うことになり、自宅で妻をまじえて昔の想い出に花が咲く夜になりました。退職後、酒を飲んでいなかったので、ビール缶(350ml)2本弱で酔っ払い、
親友夫妻を送ることもできずに横になる始末。
帰りの駅までは、妻に親友夫妻を車で送ってもらいました。
若いときの話は盛り上がりすぎて、テンションは上がりっぱなし。
年のせいか、昔の記憶も勘違いし、親友夫妻には大変ご迷惑をおかけしました。
私は卒業大学であるH大学に、その後、33年間、事務職員として就職し、
この3月まで働いて選択定年退職しようとは、学生時代にはゆめゆめ考えもしませんでした。
私と親友のS氏は社会学部に所属していて、当時、彼の下宿等でも一緒に勉強し話した仲です。
昔を振り返ると、母校から「神田古書街」は徒歩で片道15分余り。
九段の日本武道館を過ぎればもうすぐ古書街が見えて来るといった場所にありました。
大学に入るまでは存在自体知りませんでした。
神田古書籍商業共同組合発行の「神田古書店名簿」は、今でも大事に本棚の地図の棚に
保管していますが、約160店舗が道伝いに軒を並べている場所は、
日本一と言って良いでしょう。
大学が休講になったりしたときに、ぶらっと出かけたものでした。
私は、社会科学の本を探しに行くことが多かったのですが、
他にも小説文学、歴史、思想・宗教、外国書や趣味・芸術やきれいな装飾表紙の美術・
版画本など、数にすると数え切れないほどの古書が、ここ神田に集まっていて、
書店をはしごして興味深く歩いたものでした。
書店の店主のこだわりや、本の並べ方は独特な感じで、個性のある店主が多かったです。
古書全般の店もありますが、何よりその分野の専門書だけを取り扱う店が多数あり、
たとえば、専門分野や書名を言うだけで自分の店で取り扱ってないときでも、
親切に取扱店名と道案内を教えてくれる"親切心"が多く感じられ、
訪れ易い雰囲気になっています。
また、医学書や自然科学系の本は、結構値段の高い本も、比較的安く買えるということ。
そして、自分の大学図書館にも無い物も探して発見できる楽しみがありました。
学生時代には、お金が無くても何十回と通いぶらぶら散歩するだけで、
満足したことを、今は懐かしく想います。
今でもそうだと思いますが、昼間でも学生やサラリーマンが店内で本を探し見ている光景が
神田にはお似合いです。当時は、外国人の学生も何人か見かけました。
今は、外国人労働者も当時に比べ格段に増えているのでどうでしょうか?
"パソコン"が普及し、活字離れが進む中で、本の売れ行きも下降線ですが、
本から学んだ世代の代表として、本(古書も含む)の貴重さを、
ぜひとも実感していただきたいと思います。
年に1回の「神田古書まつり」ぐらいしか、最近は行かなくなりましたが、
「第二の人生」のスタートを切った私も、懐かしい想い出に浸っているだけでなく、
「再勉強・再発見」できるようにこれからは「神田」に足を運んで行きたいと考えています。